龍谷大学　日本拳法部

総監督　 啓乕 義和

「創部５０周年」記念式典を多数のご出席のもと開催されます事を感謝致します。

 顧みれば、山あり谷ありの５０年でありました。龍谷大学に日本拳法部が誕生したのは、昭和３９年。世間は東京オリンピックで賑わい、新幹線が開通した年でした。深草学舎は旧練兵所跡、前の通りは「師団街道」。進駐軍接収施設の払い下げの建物は全体に青か緑のペンキ一色塗りで、トイレは当時としては進んだ洋式でしたが、裾が切れた足元がまるだしのドアが多くあり、芝生に噴水がある程度の簡素な学内でした。現在あるクラブの多くがこの前後に誕生し、施設は少なくともキャンパス内には活気があったことをよく覚えております。

 発足した翌年、何もない我々のところに、快く招聘に応じてくださった故･乾龍峰師範のもと、武道全般、拳法実技など、時に楽しく、時に厳しく、講義を賜ったことは大きな財産です。先発の各大学に追いつき追い越せとよく稽古したのが、昨日のことの様です。

 昭和５０年「第２０回関西学生拳法選手権大会」、平成５年「第６回全国大学選抜選手権大会」、平成５年「第３８回全日本学生拳法選手権大会」における初優勝、「全日本学生拳法個人選手権大会」をはじめとする個人戦大会の優勝など数々の輝かしい戦績、中でも団体戦の勝利は格別に嬉しい記憶として残っています。

一方で、練習中の不慮の事故による大怪我や、部員死亡の悲しい出来事など、拳法部存続の危機も幾度かありました。その度に、現役部員たち、多くの先生方、OB・OG諸氏と共に乗り越える事ができました。

各地のＯＢ・ＯＧから届く「結婚しました」「昇進しました」「住職になりました」「子供が学校を卒業しました」等の便りも励みになっています。すでに鬼籍に入ったＯＢもおり、寂しくもありますが、その度毎に付き合って頂いている御前進先生、岡部修先生はじめ多くの先生方にも感謝いたしております。

昨今の学生スポーツ界に於いても様々な問題が取りざたされております。龍谷大学日本拳法部も5０年の歴史の上に立ち、襟を正して２１世紀を活動して行かなければならないと思います。

こうして５０年を回顧してみますと、様々な方々の顔が浮かびます。今日の龍谷大学日本拳法部があることを感謝しますとともに、引き続き、皆様のご支援、ご指導を賜わりますようお願い申し上げます。